イニエスタ不在の神戸、5連敗。「バルサ」が影を潜めて先は見えず (2ページ目)

  • 渡辺達也●文 text by Watanabe Tatsuya
  • photo by KYODO

 神戸の吉田孝行監督は試合前、イニエスタ、ポドルスキの欠場について「彼らがいるといないでは、違うサッカーになる」と言っていた。そのとおり、"バルサ風のサッカー"は影を潜めた。

 では、それはどのようなサッカーだったのか。前線に4枚を張らせたが、前線とボランチの距離が長すぎてパスが出しづらく、前線の選手もボールを引き出せなかった。そのバランスの悪さをもう少し早く修正できていれば、前半からもっとチャンスを作れていたはずだ。また、逆転されてからウェリントンを投入したのは、彼の高さを生かしたかったのだろうが、その意図は徹底されていなかった。もっと簡単に放り込んでもよかったのではないだろうか。

 いずれにしろ、イニエスタが復帰すれば、またパスサッカーに戻るに違いない。イニエスタに頼らなければならない。それが神戸の現状だ。「メンバーが変わればサッカーも変わる」では、神戸のサッカーは確立されない。

 さらに、これから気温と湿度が高くなるにつれ、VIP(ビジャ、イニエスタ、ポドルスキ)と呼ばれる3人の運動量は落ちてくるはずだ。そんななかで吉田監督がどういう采配を見せるのか。頭が痛いところだろう。

 次節はホームで強豪・鹿島アントラーズと対戦する。右サイドバックの西はイエロー累積で出場停止だ。泥沼からどう抜け出すのか。今の神戸の戦いからは、先が見えてこない。

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