ACLグループリーグ突破へ首の皮一枚。川崎Fには発想の転換が必要だ

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 J1王者、川崎フロンターレがもがいている。

 AFCチャンピオンズリーグのグループリーグ第4節。前節を終え、1勝2敗の勝ち点3と、グループHの3位に甘んじている川崎は、2勝1分けの勝ち点7で、同首位の蔚山現代(韓国)とホームで対戦し、2-2で引き分けた。

グループ首位、蔚山現代との試合は2-2の引き分けに終わったグループ首位、蔚山現代との試合は2-2の引き分けに終わった 試合序盤は、川崎にとって理想的な展開で進んでいた。

 前半8分、右CKの流れから、キャプテンのFW小林悠が右足シュートを決めて先制。MF大島僚太からのパスを受けた小林が、ペナルティーエリア内の右サイド、ゴールへの角度があまりない難しい位置から、逆サイドネットに突き刺したゴールは、トラップからシュートへの流れるような一連の動きも含め、まさしくスーパーゴールだった。

 しかも、一昨季のJ1得点王の小林は、J1も含め、これが今季初ゴール。生みの苦しみを味わっていたエースストライカーにようやく生まれた、待望のゴールだったのだ。

 しかし、それを勝利につなげられないのが、今の川崎。ある意味、なかなか勝ち切れない試合が続く現状を、象徴するような試合となった。

「先制点も取れたし、そのまま勢いを持って戦いたかったが、2失点して難しい試合になった」

 鬼木達監督がそう振り返ったように、前半のうちに逆転を許したふたつの失点が、川崎がこの試合を勝てなかった最大の理由である。

 先制後も、川崎の試合運びは悪くなかった。落ち着いてボールを動かし、相手の寄せが甘いと見るやミドルシュートをちらつかせ、逆にDFラインの裏を取ることもできていた。

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