イニエスタ、ポドルスキの「穴」をつく。広島、逆転で首位キープ (2ページ目)

  • 渡辺達也●文 text by Watanabe Tatsuya photo by KYODO

 だが後半に入ると、野津田、柏による左サイド一辺倒だった攻撃に、エミル・サロモンソンを中心とした右サイドの攻撃も加わるようになる。守備を意識していたボランチ・川辺も積極的にエリア内に侵入するようになり、前半はその高さに苦労させられたウェリントンを孤立させた。

 さらに、広島が積極的な守備からボールを奪うようになると、神戸のイニエスタ、ポドルスキは積極的に守備をする選手ではないため、あちこちにスペースができる。広島はその穴を突いていった。こういう展開になれば、選手に迷いがなく運動量で上回る広島が圧倒できる。結果的に4点を奪ったが、5点目、6点目が入っていてもおかしくなかった。これが首位にいるチームの底力だろう。

 広島は、ロースコアの試合を何とかモノにしてきた印象が強かったが、ここにきて2試合で7得点。昨季、快進撃の立役者になったパトリックも、少しずつコンディションを上げてきている。

 次節は首位を争うFC東京が相手。その後も攻撃力があり攻守の切り替えが速い名古屋グランパス、横浜F・マリノスと、上位との対戦が続く。この3連戦をどう乗り切るか。広島にとって、最初の大きなヤマ場と言える。


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