勇敢なF・マリノス。
「本家」風間サッカーを超える攻撃志向

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 まずは単純に、見ていて面白い試合だった。

 J1第7節、横浜F・マリノスvs名古屋グランパスは、1-1の引き分けに終わったが、お互いがチャンスを作り合い、ゴール前での際どいシーンが繰り返された試合は、「どっちにも勝つチャンスがあった。(勝敗が)どっちに転んでもおかしくなかった」(横浜FM・MF喜田拓也)。

 名古屋の風間八宏監督曰く、「すごく緊迫したいいゲーム」。また、横浜FMのアンジェ・ポステコグルー監督曰く、「両チームともアグレッシブに攻め合ったいいゲーム」。両指揮官とも、勝てる試合だったという悔しさを吐露しつつも、この一戦をそう評した。

面白いサッカーを見せているF・マリノス面白いサッカーを見せているF・マリノス 試合前から好ゲームの期待はあった。

 前節終了時点、勝ち点12で3位の名古屋と、勝ち点11で5位の横浜FMの上位対決というだけでなく、ボールを保持して攻撃的に試合を進めることを得意とするチーム同士の対戦だったからだ。

 だが、試合は少々意外な形でスタートした。

 低い位置からパスをつなぎ、攻撃を組み立てようとする横浜FMに対し、名古屋は前線からボール保持者にプレッシャーをかけてパスコースを限定し、パスカット、あるいは、横浜FMのミスを誘って、チャンスを作り出した。

 試合開始8分にして名古屋が奪ったPKによる先制点も、そんな流れのなかで生まれたものだ。

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