フロンターレ4戦未勝利はナゼなのか。家長昭博は断言「迷いがある」 (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「みんな同じ方向を向いてやっていますし、チームがバラバラということは何ひとつないんですけど、やっぱりグラウンドのなかで0.5秒、1秒、サポートに入るのが遅くなっていると思う。(パスを)出す側にも迷いがあるし、もらう側にも多少の迷いがあると思う。そういう小さなことが積み重なって、自分たちらしい形というものが減っている」

 川崎の代名詞と言えば、コンビネーションにある。前線と2列目のポジションはあってないようなもので、相手や状況によって目まぐるしく変化していく。その多彩なパスワークは阿吽(あうん)の呼吸とでも言えるように、すべてが試合や日ごろの練習で培ってきた賜物である。

 それだけに、選手の特徴が変われば、距離感や関係性も変わるし、サッカーも、崩し方も変わっていく。再び家長の言葉に耳を傾ける。

「去年までは(小林)悠が最終的にゴールを取るという形が、チームのスタイルとしてある程度、築けていた。(今シーズンは)そうした、誰が得点するかという形を、全体的なところも含めて、まだ模索しながらやっている部分がある。そこの難しさはありますね」

 今シーズンの川崎が目指しているのは、J1の3連覇だけではない。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)をはじめとするカップ戦も含めた4冠にある。

 そのためには、当然ながら固定された11人だけでは戦い切れず、鬼木達監督が昨シーズン以上にターンオーバーを実施しているように、チーム全体を大きくベースアップさせる必要がある。ブラジル代表歴のある大型FWレアンドロ・ダミアンを加えた攻撃を模索しているのも、そのひとつだろう。

 ただ、G大阪戦に限って言えば、メンバーが大幅に変わったことで、らしくない判断ミスもあれば、連係の相違も見られた。1トップを務めた知念はこう振り返る。

「前半からチームとしてうまくいっていなかった部分はあった。自分がすごく孤立していたので、どうすればうまくいくかを考えながらやっていたんですけど、なかなか答えが見つからないまま、体力を消費する時間が続いてしまった」

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