イニエスタ、ビジャだけじゃない。全員融合で快勝の神戸、次の標的は (2ページ目)

  • 渡辺達也●文 text by Watanabe Tatsuya photo by KYODO

 ただし、課題がなかったわけではない。ボールを奪われたあと、前線の選手の戻りが遅いため、ボランチの山口、三田啓貴の前に大きなスペースができてしまうのだ。

 神戸と同じようにボールをつないで攻撃的なサッカーをする川崎フロンターレ、名古屋グランパス、横浜F・マリノス、さらには試合巧者の鹿島アントラーズなどと対戦したとき、そこは大きな穴となるだろう。だからといって、前線の外国人選手に「戻って来い」とは言えないのだろうが。

 また、神戸はバルセロナからMFセルジ・サンペールを獲得した。サンペールの本来のポジションはアンカー。現在のシステムのまま山口とボランチを組ませるのか。それともシステムを4-3-3にしてアンカーに置き、イニエスタと山口をインサイドに並べるのか。あるいはサンペールをインサイドに置くのか。

 それ以上に問題になるのが外国人枠だ。現在5人の外国人選手を先発させているため、誰かを外さなければいけなくなる。前3人のビジャ、イニエスタ、ポドルスキは外せないとなると、韓国代表のGKで安定感抜群のキム・スンギュか、予想以上の活躍を見せているDFダンクレーになる可能性が高い。フアン・マヌエル・リージョ監督がどういう選択をするのか注目したい。

 一昨年のポドルスキに始まり、昨年のイニエスタ、そして今季のビジャと、大物獲得で常に話題を振りまいている神戸。今夏には、欧州で出番の少ない大物日本人選手獲得の噂まである。ここまできたら"やりすぎ"といわれるくらいの補強を続けてほしいものだ。

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