五輪代表候補・三好康児は
F・マリノスで「水を得た魚」になった

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Etsuo Hara/Getty Images

 Jリーグ第2節の横浜F・マリノス対ベガルタ仙台は、2-1とスコアは1点差ながら、内容的には3-0と言いたくなる一方的な試合だった。マン・オブ・ザ・マッチは2ゴールをマークした新外国人CFエジガル・ジュニオだったが、もうひとり名前を挙げよと言われれば、今季、コンサドーレ札幌から加入した21歳、三好康児を推したくなる。

開幕戦に続きベガルタ仙台戦もフル出場、勝利に貢献した三好康児(横浜F・マリノス)開幕戦に続きベガルタ仙台戦もフル出場、勝利に貢献した三好康児(横浜F・マリノス) だが、彼は次節の大一番、川崎フロンターレ戦(3月10日)には出場できない。その所属先は川崎で、横浜FMはレンタル契約先にあたるからだ。直接対決となる試合には規定で出場できないことになっている。

 買い取りオプション付きのレンタルなのか。契約の細部については知らないが、レンタル契約というのは一般的に選手にとって歓迎すべき話ではない。しかも三好の場合は札幌、横浜FMと2チーム連続のレンタルだ。これでは評価が曖昧な選手に見えてしまう。

 しかし実際には、もはや横浜FMに欠かせない選手になっている。次節、出場できないことは大きな痛手と言えるだろう。

 実際、川崎時代、札幌時代より、チームにハマっているように見える。水を得た魚と言いたくなるほど快適そうにプレーしている。4-3-3の右インサイドハーフというポジションと、自身のプレースタイルとが良好な関係にあるのだ。

 川崎時代のポジションは、主に4-2-3-1の3の左だった。札幌時代は3-4-2-1の1.5列目にあたる2シャドーでの出場が大半を占めた。

 4-3-3のインサイドハーフはそれらと比較して何が違うのか。FW的、アタッカー的だった川崎、札幌時代に比べて、中盤的なのだ。

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