イニエスタが語るサッカーの面白さ。日本でのプレーは「学び」の連続 (2ページ目)

  • 高村美砂●取材・構成 text by Takamura Misa
  • 説田浩之●撮影 photo by Setsuda Hiroyuki

 その点において、プレシーズンは個人的にも、チームとしても有意義に過ごすことができました。選手個々が、監督が理想とするサッカーにおける役割を理解したうえで、チームとしての力を高めることができましたし、選手同士がお互いのプレーや特徴についての理解を深めることができました。

 もちろん、今はチャレンジの途中で、まだまだスムーズにいかないところも多いですが、この先、お互いのプレーへの理解が深まるほど、すばらしい連係が生まれるはずですし、それがチームとしての機能を高めることにつながっていくと思います。

 ピッチに立つ誰もが、それぞれに自分が好きなプレーがあり、得意なプレーがあります。それを尊重し合い、擦り合わせていくことによって、さまざまなハーモニーが生まれることが、サッカーの面白さだと思っています」

――昨年の戦いを踏まえて、今年に生かしたい財産と、逆に改善を求めたい課題を教えてください。

「昨年の約半年間は、僕にとっても、家族にとっても、新しい環境に適応するための、とても濃密ですばらしい時間になりました。それは、チームとしても同じで、今シーズンも指揮を執るフアンマ(フアン・マヌエル・リージョ)監督のもとで過ごした3〜4カ月の間に、いろんなものを積み上げられたと思います。それを今シーズンに引き継げることで、チーム作りがゼロからのスタートにはならない事実は、とてもポジティブな要素です。

 ただ当然ながら、昨年以上の結果を求めるには、チームとしてさらにいろんなものを上積みしなければいけないし、そのためにも、戦いを進めていくのと並行して、さまざまなチャレンジを続けていかなければいけません。

 また、昨年のシーズン後半のある時期、チームはすごく悪い流れのなかにいて、明らかにチーム、個人として自信を失っていたという反省から、今シーズンは1年を通して安定して戦えるチームになることも、目標に近づくには大事なことだと思います」

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