ポステコグルー流が実を結ぶ。
F・マリノスは本当に降格候補なのか?

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Etsuo Hara/Getty Images

 ポゼッションサッカーを極めるうえでは、失ったボールをいかに素早く、高い位置で奪い返せるかは、重要なカギとなるが、その点において、この試合の横浜FMは秀逸だった。仙台は「横浜FMは攻撃から守備の切り替えが速いので、それをいかに外すかをトレーニングでやってきた」(仙台・渡邉晋監督)と言うが、「なかなか攻撃に出ていく時間を作れなかった」(渡邉監督)。

 横浜FMが、後半にいくつかあったチャンスを追加点につなげることができなかったため、スコアのうえで最少得点差ではあったが、内容的には横浜FMの完勝と言っていい試合だろう。

 昨季から取り組み続けてきたことが、ようやく実を結び始めている。そんな内容の試合を振り返り、ポステコグルー監督も満足そうに語る。

「いいパフォーマンスが見せられ、いいゲームができた」

 とはいえ、今季の横浜FMは、昨季から大きくメンバーが入れ替わった。仙台戦の先発メンバー11人のうち、今季新加入の選手は5人を数える。

 それにもかかわらず、彼らは横浜FMのサッカーにうまく適応しているどころか、早くも中心的存在になりつつある。

 今季新加入のひとりながら、効果的な攻撃参加から何度も決定機を作り出した右サイドバック、DF広瀬陸斗(徳島ヴォルティス→)が語る。

「意識しているのは、(他の選手と動きが)かぶらないことと、距離感。ポジションがどんどん入れ替わるので、周りの選手のポジションを見ながら、空いているところに入っていく。練習からずっとやっているので、阿吽(あうん)の呼吸でできている」

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