ポステコグルー流が実を結ぶ。F・マリノスは本当に降格候補なのか? (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Etsuo Hara/Getty Images

 結局、横浜FMは12位でJ2降格は免れたとはいえ、暗中模索の感が否めなかった。昨季の戦いぶりを振り返れば、今季も苦しい戦いが続くのではないか。そんな見立てが、開幕前には一般的だったに違いない。

 ところが、そんな否定的な見方を覆(くつがえ)すように、横浜FMが今季、高い攻撃力を武器に好スタートを切っている。

 J1開幕戦でガンバ大阪を3-2で下したのに続き、第2節でもベガルタ仙台に2-1と勝利。合計5ゴールを叩き出しての開幕2連勝である。

ベガルタ仙台を翻弄した横浜F・マリノスベガルタ仙台を翻弄した横浜F・マリノス とくに仙台戦の前半は、パーフェクトな試合内容だった。

 圧倒的にボールを保持し続けたうえで、次々に相手の守備ブロックの隙間へ縦パスを打ち込み、DFを食いつかせてはその背後を狙う。横浜FMは面白いようにペナルティエリア内に進入し、チャンスを作り出した。

 しかも、相手の"表"でパスを回すだけでなく、"裏"を取ることができていたため、常に後ろ向きの守備を強いられる相手選手は、ボールを奪ったとしても前につなぐことができない。その結果、横浜FMは敵陣ですぐさまボールを奪い返すことができ、カウンターを許すどころか、完全にゲームを支配し続けた。

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