緊急補強シミッチが名古屋連勝のカギ。風間サッカーが花を咲かせる

  • 渡辺達也●文 text by Watanabe Tatsuya photo by Matsuo/AFLO SPORTS

 J1リーグ第2節、ともに開幕戦を勝利で飾った名古屋グランパスセレッソ大阪の一戦。名古屋は開幕戦、途中出場で結果を出した相馬勇紀、和泉竜司を先発に起用。C大阪は新戦力の都倉賢を初先発させてワントップに置き、柿谷曜一朗をシャドーに使った。

 交代策が的中、開幕2連勝を飾った名古屋グランパスの風間八宏監督 交代策が的中、開幕2連勝を飾った名古屋グランパスの風間八宏監督 試合は予想通り、名古屋が主導権を握るが、C大阪は最終ラインに5枚、中盤に4枚のブロックを作って対応する。さらに名古屋の攻撃の軸となるボランチ、ジョアン・シミッチを抑える作戦を遂行したきた。

 名古屋はシミッチを抑えられたことで、得意のパスサッカーにリズム、テンポが上がらず、前半は0-0で折り返した。

 後半に入ると、名古屋の風間八宏監督が先に動く。まず相馬に代えて前田直輝を、23分には和泉に代えて赤崎秀平を投入。よりゴールに向かう姿勢を示した。なかなか攻撃に移れないC大阪も、後半の半ばすぎから、清武弘嗣に代えてレアンドロ・デサバト、奥埜博亮に代えて水沼宏太、都倉に代えてブルーノ・メンデスと、次々に選手を入れ替えて勝負に出た。

 だが後半34分、C大阪が警戒してきたシミッチの縦パスを、ガブリエル・シャビエルが赤崎にヒールで送ると、左足でシュートを決める。さらにアディショナルタイムにも再び赤崎が決め、名古屋が開幕2連勝を飾った。

 C大阪の、開幕戦のヴィッセル神戸戦でも見せた堅い守備は、この名古屋戦でも機能していた。課題は攻撃力。ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督のサッカーは本来、決して守備的なだけではない。それをこれからどう進化させていくか。もう少し時間がかかりそうだ。

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