今季のヴィッセル神戸は何が違うのか。生え抜きの21歳が明かす激変 (4ページ目)

  • 高村美砂●取材・構成 text&photo by Takamura Misa

「ヴィッセルのために」
選手全員が本気になれるか

 ヴィッセルは昨年から「アジアナンバーワンクラブ」という目標を掲げて、サッカースタイルも変化させて戦ってきました。ですが、昨シーズンもしかり、それになかなか勝利とか、勝ち点がついてきていないという現状があります。

 この状況を打開して、スタイルを明確に結果につなげていくためには、まず全員の「勝ちたい」という気持ち、「上位に食い込んでいくんだ」という思いが、同じ方向に向かっていかなければいけないと思っているし、それを本気で信じて進んでいくことが必要なのかなと思います。なんていうか......これまでも本気ではあったけど、どのチームもタイトルを狙っていると考えれば、他のチームと同じ温度では絶対に勝ち抜けないと思うからこその、「本気」です。

 ただ、これが一番難しいというか......実際、自分が試合に出られないときのことを考えても、試合に出ている選手と同じ温度で過ごすのはコンディション的にも、メンタルの部分でもすごく難しいことだと思います。連戦になるほど、必然的にチームとしての練習の強度もそこまで上げられないですしね。

 でも、そういうこともわかったうえで、みんながヴィッセルのために力を注いで、気持ちをそろえて戦うことが"タイトル奪取"には必ず必要です。だからこそ、僕もこのチームの一員として「ヴィッセルのために」ということを意識して戦っていきたいです。

 個人的な目標は、自分の持ち味で勝負して、より多くの試合に出ること。また、これは目標というより希望ですが、アカデミー出身の僕としては、自分に続く後輩選手がもっとたくさんトップチームに昇格してきてほしいと思っています。

 実際にアカデミー時代から応援してくれているファンの人たちの声を聞いていても、それを楽しみにしてくれている人は多いし、アカデミー育ちの選手がトップチームで活躍することに喜びを感じてくれている人もいる。その人たちの気持ちに応えるためにも、また後輩に刺激を与えるためにも、コンスタントに試合に出続けられる選手になりたいと思います。

(3)西大伍インタビューへつづく>>

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