今季のヴィッセル神戸は何が違うのか。
生え抜きの21歳が明かす激変

  • 高村美砂●取材・構成 text&photo by Takamura Misa

 それに、僕らの世代からもすでにA代表に選ばれている選手がいることを思えば、ウカウカしていられないなとも思う。ただそうは言っても、焦りを感じているかといえば、それはありません。素直に「すごいな!」とは思っても、人は人、自分は自分という考え方に変わりはないし、焦ったところで自分のプレーがうまくなるわけでもないから。焦りが"無理"につながり、ケガを負うことになっては意味がないですしね。

 U-21日本代表の監督である森保一さんはA代表の監督もされているので、これまで以上にA代表を描きやすくなっているところはありますし、チャンスも膨らんでいると思いますが、自分を見失わないためにも、とにかく僕は一歩ずつ、自分のペースで進んでいきたいと思っています。

 そうした状況にあって、最近は少しずつ体の変化を感じています。いや、変化ということでは、1年目にケガをして長期離脱になって以降は、体重を増やしたり、体脂肪率を増やしたりと、数字的な変化は以前からあったのですが、ようやくそれが自分のものになってきたという感覚です。

 というのも僕の場合、以前から体脂肪率が少なすぎて......本来は9〜11%が理想なのに、以前は5〜6%しかなかったんです。ただ、人の体って運動をすると、エネルギーを燃焼したあと、脂肪を燃焼し始めるらしいんですが、僕のように体脂肪が少なすぎると、筋肉を燃焼してしまい、それがケガにつながるそうなんです。

 だからこそ、体重を増やすだけではなく、体脂肪を理想的な数字に保つ必要がある。そこが以前はうまくいかず......たとえば、過去にも一気にガッと体重を増やしすぎて肉離れにつながった、という経験もしましたからね。

 以来、ゆっくりと体重を増やしながら、かつ体脂肪を理想的な数字まで高めるというチャレンジをしてきて、ようやく今は体重がプロ1年目から7kgくらい増え、体脂肪も今の段階で9%と理想的な数字を保てている。今後もこれを維持しながら、ケガをしない体、ということも考えてやっていきたいと思っています。

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