ゴールへの貪欲さ、得点感覚はいまだ健在。神戸ビジャはこれだけすごい (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by ZUMA Press/AFLO

 ビジャはアメリカ遠征で2試合を戦ったが、チャンスに決めきれていない。沖縄キャンプでは韓国の2部のクラブを相手に、FKで壁の下を通すゴールを記録した。今は調整しているところで、一喜一憂はない。コンディションもそうだが、チームメイトとの呼吸を合わせることが大事で、結果そのものに意味はないだろう。

 ひとつ言えるのは、ビジャが真のゴールゲッターである、ということだ。

「ビジャは動きが速いだけじゃない。即興的で、どんな動きをするのか予測がつかないんだよ。だからゴールできるんだろうし、審判としてはそのプレーを見極め、ジャッジするのも難しい」

 スペイン史上最高の審判、メフート・ゴンサレスはそう言って、肩をすくめていたものだ。

 ビジャはスペイン時代、バレンシア、バルサで得点を量産していた印象が強いが、MLSのニューヨーク・シティに移籍した後も、4シーズンで77得点を記録(レギュラーシーズン)。カップ戦も含めると、平均して毎シーズン20点以上取っている。

 37歳になっても、ゴール感覚はまるで衰えていない。

「あそこまでゴールに貪欲な選手は、少なくとも日本人では見たことないですね」

 そう語ったのは、神戸のセンターバックである渡部博文である。

「バルサ時代もカットインからの右足シュートってありましたけど、いまも形を持っているなって。周りにパスの選択肢があっても、まずは絶対に仕掛ける。それもディフェンス2、3人が横並びで守っていても、です。ダメならパスを選択するんですが、シュートへの姿勢は印象的で、とにかく入る雰囲気があります。

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