霜田体制の山口がJ2に旋風を起こす。「モデルはリバプールやマンC」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Naoki Nishimura/AFLO SPORT

 そう語る霜田監督は、山口から時代のうねりを作ろうとしている。

「プレシーズンはタイキャンプを張って、4試合戦った。タイのチームはとにかく荒っぽいし、レフェリーもファウルを取らない。でも、選手にそこで文句を言うなって。プレーし続けることで鍛えてきた。誰が出てもレベルが落ちないようなチームになってきているよ」

 霜田監督は楽しそうに語った。昨シーズンは選手層の薄さで、上位との差を見せつけられた。今年は総力戦となる。

 2月24日、本拠地維新みらいふスタジアムで、山口は優勝候補筆頭の柏レイソルを迎える。資金力を戦力に例えるなら、数倍の相手。分は悪い。

「やり方はいろいろと考えているよ。工藤の状況は微妙(セレッソ戦で手を負傷)だけど、ほかの選手が奮起できるか」

 霜田監督は、その胸中を語った。

「勝ったり負けたりは、サッカーだからある。ただ自分たちが見ているのは、プレミアリーグのリバプールやマンチェスター・シティだから。同じ精度は出せないけど、プレーモデルは同じ。3枚のセントラルミッドフィールダーが主導権を握って、サイドから崩して仕掛ける。FWは入れるだけっていう状況をたくさん作る」

 山口の新たな挑戦が始まる。


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