「3+1」から「5」に。J1の外国人出場枠拡大で新時代到来 (3ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 その他、プラス2枠分にアルゼンチン人MFレアンドロ・デサバトとブラジル人FWブルーノ・メンデスを補強したセレッソ大阪は、神戸と同じく計6人の外国人をやり繰りしながら新シーズンに臨む構えで、元スペイン代表FWフェルナンド・トーレスを擁するサガン鳥栖も、韓国人GKキム・ミノ、クロアチア人DFニノ・ガロヴィッチ、そしてスペイン人MFイサック・クエンカを新たに加え、外国人選手6人体制を整えた。

 また、新ルールの活用によって飛躍しそうな気配を漂わせるのが、川崎から加入したサイドバックのエウシーニョ、DFヴァンデルソン、MFヘナト・アウグストといったブラジル人をトリオで補強した清水エスパルスだ。この3人に、現有戦力の元韓国代表DFファン・ソッコ、ブラジル人FWドウグラスら日本での実績のある選手が額面どおりの働きをすれば、優勝争いに絡んでもおかしくはない陣容と言える。

 もちろん、優勝候補と目される強豪クラブも新ルールに対応すべく強化を図っている。

 まず、昨シーズンは日本人選手を中心に戦って連覇を果たした川崎は3人の新外国人選手を補強。FWレアンドロ・ダミアンを筆頭に、エウシーニョの抜けた穴を埋めるべく獲得したマギーニョ、センターバックのジェジエウを加え、彼ら3人の活躍次第ではリーグ3連覇とアジアチャンピオンズリーグの二冠も視野に入ってくるはずだ。

 一方、現有戦力をベースに戦うのが鹿島と浦和だ。新外国人選手を補強しなかった鹿島は、昨シーズンをケガで棒に振ったブラジル人MFレアンドロが復活すれば、FWセルジーニョ、MFレオ・シルバ、GKクォン・スンテ、DFチョン・スンヒョンと、質の高い5人の外国人が揃うことになる。

 また、ズラタンに替わってブラジル人MFエヴェルトンが加わった浦和にしても、FWファブリシオの故障復帰を見越して大物助っ人の獲得は行なわなかったが、新ルール導入によって昨シーズンはほぼメンバー外となっていたFWマルティノスを有効に起用できる環境が整ったことは大きい。FW杉本健勇、DF鈴木大輔、サイドバックの山中亮輔と日本人選手の新戦力も充実しているだけに、各ポジションに2人のレギュラークラスを抱える隙のない陣容が整ったと言える。

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