鳥栖トーレスはフレッシュに2季目へ。ゴール量産に必要なことは? (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by AFP/AFLO

「イサックのボールって、抜けてくるか、こないか、微妙な感じで。『来た、やばい』ってなるFWは多いと思います。こういうゴールを決めると、周りもフェル(ナンド)を信じられるし、フェルも周りを信じられて、ポジティブに好転する可能性はあるんじゃないかな、と思います。

 今シーズン、フェルはフィジカル的にもフレッシュで入ってきたな、というのはあります。去年は来たときが一番フィットしていたというか。そのあとは(欧州シーズンから)ぶっ続けでプレーして、疲れも出たと思います。3点は少ないと思いますけど、もっと取れてもおかしくはなかったはずです」

 トーレスが不発に終わった理由は、いくつかあるのだろう。コンディション的にも100%には程遠かった。精神的にもストレスを抱えていた。それらが解消された2年目、トーレスの視界は開けた、とも言える。

 もっとも、不安はある。チームとして現実的な機能性に乏しく、ラストパスまでたどり着かない。クエンカの個人プレーに頼っているのが現状だ。

 そのせいか、トーレスはルナー・ニュー・イヤー・カップ決勝(山東魯能戦)では、ゴールを決めながらも、相手のチャージに苛立って、荒っぽいプレーで火種になっている。英雄的選手らしくない振る舞いだった。率直に言って、2年目のJリーグでも同じような光景が広がる可能性があることは否めない。

「でも、フェルナンドは練習ではどんなときも真面目。淡々と、誰よりも一生懸命に取り組める。プロフェッショナルで、向上心が強く、尊敬できる。その証拠に、すごい体をしていますしね」

 チームメイトたちはそう口をそろえる。

 プレーヤーとしての姿勢。それはトーレスが、"2年目の失敗を回避する担保"と言えるかもしれない。

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