鳥栖トーレスはフレッシュに2季目へ。ゴール量産に必要なことは? (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by AFP/AFLO

「ボール回しとかでも、ヒールでポンっと何気なくつなげるプレーが出たり。そういうのが去年はあまり見られなかった。FWはとくにちょっとした安心感の部分が、プレーに大きく出る。だから、いい状態なのは間違いないと思いますよ。今年の監督の戦術は、フェルナンドが点を取れるか、にかかってくるはずです」

 プレシーズン、新たに就任したカレーラス監督は4-3-3のシステムを採用している。数字上は3トップだが、サイドは大きく開くため、1トップと言うべきだろう。インサイドハーフも前へ走るので、4-1-4-1に近いか。

「まずはトップを見て、トーレスに通せ!」

 カレーラス監督はその一点張りで、とにかくその得点力に賭けている。そのため、1トップは相手ボールに対してはコースを切るだけで、守備の負担を求めていない。体力を温存し、ゴールを仕留めるのが使命となる。

 トーレスが決定機を外した場合、戦局は不利に傾く可能性が高いだろう。ノープレスでは相手にボールを持ち運ばれる。必然的に守勢に回ることになる。

 しかし、トーレスの得点は増えるかもしれない。事実、プレシーズンに香港で行なわれたルナー・ニュー・イヤー・カップでも2試合連続得点。香港選抜戦、フアン・イサック・クエンカ・ロペスの右足クロスをディフェンスの間で呼び込み、胸で受けると、バウンドしたボールを冷静にネットに沈めた。ゴールゲッターとしての質の高さが出たシーンだった。

「あの集中力は、さすが世界で戦ってきたゴールゲッターだな、と思いましたね」

 香港選抜戦に右サイドバックとして先発出場した小林祐三は、そう振り返っている。

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