玉田圭司が分析した日本代表。三銃士より「大迫勇也の存在が大きい」

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi

玉田圭司インタビュー前編

 昨年末、玉田圭司が名古屋グランパスからV・ファーレン長崎への移籍が決まった。今年で39歳を迎える快足FWが、1年でのJ1復帰を目指す長崎で新たな挑戦を始める。

 Jリーグで活躍を続ける玉田は、2004年から2010年にわたって日本代表でも活躍(国際Aマッチ72試合に出場し16得点)。とくに2004年のアジアカップ、準決勝のバーレーン戦で劇的な決勝ゴールを決めたシーンを覚えているファンも多いだろう。

 そんな玉田は、現在の日本代表、アジアのサッカーをどう見ているのか。1月末に長崎の沖縄キャンプで直撃した。

沖縄キャンプで練習試合に出場した玉田沖縄キャンプで練習試合に出場した玉田──現在(このインタビューは1月29日に実施)、日本代表はアジアカップを戦っていて、準決勝は難敵のイランに3-0で勝ちました。それまではずっと接戦でしたが、玉田選手が活躍して優勝に貢献した2004年大会の戦いと比べていかがですか?

「似ているんじゃないですかね。あの時も楽に勝った試合はほとんどなかった。その意味では、通じるところはありますよね。今大会はすべてを観ているわけではないですが、イラン戦はよかったと思います」

──戦前の大方の予想では、「アジア最強」と謳われるイランに苦しむだろうと言われていましたが。

「あの大迫(勇也/ブレーメン)の1点目で、イランは(集中が)切れてしまったんだと思います。日本が失点してもおかしくない場面はあったけど、それを耐えたのはすばらしい。『アジア最強』と言われていたイランから挙げた勝利により、選手たちはとても大きな自信を得たでしょうね」

──でもそれ以前は、接戦に次ぐ接戦を制してきました。2004年大会もそうでしたけど、そんなギリギリの戦いの経験とはどんなものだったんでしょうか?

「オレはあの時、代表に入ったばかりで、チーム最年少だったんじゃないかな。だからチーム全体のことなんて全然考えられなくて、自分のことで精一杯だった。最初のほうは自分のプレーに関係なく、チームが勝っていった感じでしたね。それで最後に、準決勝と決勝で得点できた。一番いいところでね(笑)。振り返ればいろいろ思うところもありますけど、当時はチームの状態を考える余裕なんてまったくなかったですね」

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