Jリーグ初の低酸素ルームも。新設「ラボ」が湘南の新戦力を強くする

  • 井川洋一●取材・文 text by Yoichi Igawa
  • photo by Getty Images

 初めてタイトルホルダーとして臨む新シーズン、湘南ベルマーレがさらなる加速を誓った。1月11日に開かれた新体制発表会見で、8シーズン目の指揮を執る曺貴裁(チョウ・キジェ)監督が今季のチームスローガン、「Acceleration ──加速──」を公表した。

「我々の目標は(このスローガン)ひとつしかない。チームを加速させるために、来てもらった(新加入)選手たちです。聞きなれない言葉かもしれないけれど、(アクセラレーションは)アクセルの名詞形。(昨季)チームが崩れなかったこと、そこへの思い、成長、そうしたすべてのことを加速させていきたい」

昨シーズンのルヴァンカップで優勝して、自身初のタイトルを獲得した曺貴裁監督昨シーズンのルヴァンカップで優勝して、自身初のタイトルを獲得した曺貴裁監督 加速のためのインフラ面もさらに充実していく。昨年4月、湘南はパーソナルフィットネスクラブ事業を展開するRIZAP(ライザップ)グループに加わり、6月にはRIZAPのトレーナーがチームのパフォーマンスアップチーフに就任。フィットネスクラブと同様に、選手それぞれに寄り添って個別指導や食事指導を行ない、目標のひとつだった「2020年までにタイトル獲得」を前倒しで成し遂げることに貢献している。そしてチームには、新シーズンから『RIZAP Lab(ライザップラボ)』と呼ばれる新たなトレーニング施設が導入されるのだ。

 登壇したRIZAPグループの瀬戸健社長はまず、「四半期決算の発表後、(経営不振と報道されたことを)心配している方もいるかもしれませんが、ベルマーレとの関わりは1ミリも変わることはありません。RIZAPグループは湘南ベルマーレとともに、全力でしっかりと未来を築き上げていく。そう決意しています」と説明。その後、ライザップラボを紹介した。

 これまでより面積が10倍広くなり、機器が2.5倍充実する新たな施設には、Jリーグ初の低酸素ルームが設置される。このなかで心肺系のトレーニングを30分すれば、普通の場所での2時間と同等の効果が得られるという。

「ベルマーレは走るチーム。それをもっと加速させるために」使用される。また、リカバリールームやカンファレンスルームも設置される「最高のトレーニング環境」で得られたデータは、テクノロジーを用いて分析され、「的確なパフォーマンスアップにコミットする」とも瀬戸社長は語った。

 こうした環境で自身の殻を破ることを目指す新加入選手がいる。ジェフユナイテッド千葉から移ってきたFW指宿洋史(いぶすき・ひろし)だ。

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