J内定2人に加え、青森山田の強さを象徴するレフティー・カルテット (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 昨年12月30日に開幕した第97回全国高校サッカー選手権大会は、1月3日に3回戦を終え、ベスト8が出そろった。昨年度優勝の前橋育英をはじめ、東福岡、桐光学園といった有力校が早々に姿を消すなか、青森山田は順調に準々決勝へと駒を進めている。初戦となった2回戦では草津東を6-0、続く3回戦では大津を3-0と、悠然たる勝ちっぷりである。ユース世代の最高峰リーグ、プレミアリーグEASTで2位となった実力は伊達ではない。

 なかでも注目を集めているのが、今春からのJクラブ加入が内定している2人の選手。アビスパ福岡入りのDF三國ケネディエブス(3年)と、コンサドーレ札幌入りのMF壇崎竜孔(だんざき・りく/3年)だ。

 高さとスピードを兼ね備えた三國。優れたテクニックを生かし、パスやドリブルを操る壇崎。いずれも今大会を代表する選手であるのは間違いない。

 とはいえ、青森山田は彼らだけのチームではない。「Jクラブ内定」の肩書は確かに目立つが、それ以外にも能力の高い選手がそろっており、チームとしての総合力は極めて高い。それを象徴するのが、冒頭で紹介した武田をはじめとする、4人のレフティーだ。

 トップ下でパスをさばくことを得意とする武田とともに、攻撃の中心を担うのが右MFの背番号11、MFバスケス・バイロン(3年)。小学3年生のときに来日し、日本で育ったチリ出身のドリブラーは、抜群の突破力でチャンスを次々に作り出す。巧みなフェイントを織り交ぜたスピードあるドリブルは、高校生では止めることが難しいレベルにある。

 そして、こちらは左サイドから厚みのある攻撃を生み出す背番号3、DF豊島基矢(もとや/3年)。壇崎を筆頭に、前線に多くのタレントを擁する青森山田だが、高い攻撃力において、この左サイドバックの存在は見逃せない。タイミングのいいスムーズなオーバーラップと、質の高いクロスは、大きな武器となっている。

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