2019年シーズンは「恩返しの1年」と語る、ジュビロ名波監督の覚悟 (5ページ目)

  • 原田大輔●取材・構成 text by Harada Daisuke
  • photo by Naoki Morita/AFLO SPORT


名波監督がその活躍ぶりを大いに称えた山田大記名波監督がその活躍ぶりを大いに称えた山田大記――苦しいシーズンではありましたけど、そのなかで成長した選手はいますか。

「MF山田(大記)だろうね。山田がいなかったら、J1参入プレーオフ決定戦も厳しかったと思う。しかも、山田の何がすごいかって、チームが始動した1月から、1日も休まずに練習でフルメニューをこなしたこと。本人は2得点しか決めていないから、物足りなさを感じているかもしれないけど、そこはまた今季、肉付けしていけばいい。

 2017年シーズンは、ヨーロッパから戻ってきて苦しんでいたけど、2018年シーズンは本当に変わった。アウェーの柏レイソル戦(第13節)で初ゴールをマークしたけど、山田にとっては、あのゲームがキーになったというか、ターニングポイントになったんじゃないかな」

――シーズン途中に加入したFW大久保嘉人選手はいかがでしたか。

「試合を重ねるごとによくなっていった。(移籍してきた)当初は、ボールが来ないというストレスがあったと思う。実際、加入して間もない頃の練習試合では、30分間プレーして9回しかボールに触っていないこともあった。

 だから、嘉人にはボールを触ってリズムを作れるように自由を与えて、『ボールを触りながら、ゲームを作ってくれ』というふうに言っていた。ただ、『好きなことをやっていいけれども、その代わり、ボックス内に入っていくことだけは忘れるな』と要求した。『おまえは、ゴール前に入っていかなかったら、ぜんぜん怖さなんてないから』って。『後ろでボールをさばくことなんて、オレでもできるから』と。

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