2019年シーズンは「恩返しの1年」と語る、ジュビロ名波監督の覚悟 (4ページ目)

  • 原田大輔●取材・構成 text by Harada Daisuke
  • photo by Naoki Morita/AFLO SPORT

――2017年はそういうゲームをモノにしていました。

「そうだね。そういう意味では、監督としての総括というか、反省になるかもしれないけど、采配で勝たせてあげたかったな、というゲームが(今季は)多かったかな......。もちろん、いろいろと手は打っているんだけど、劇的に変わった試合が少なかったな、と」

――また、シーズン前半戦では前からプレッシャーをかけて、高い位置でボールを奪って、そのままゴールまで持っていくシーンがよく見られましたが、後半戦はそういう試合がなかなか見られませんでした。

「そこは、残留争いをしているなかで、後ろの選手たちが失点をするのが怖くなって、3バックの両ワイドが出ていくシーンがほとんどなくなってしまって。それがないと、ウチの魅力は半減してしまいますからね。

 DFの(高橋)祥平に言わせれば、リスクを考えて自重した、ということなんだけど。負けている状況では出ていくけど、0-0とか、1-1のときとかはなかなか出ていかなかったね」

――勝てない時期が続くなかで、名波さん自身が何か感じたことはありますか。

「う~ん......、(自分は)点を取るためにどうすればいいかを考えていたけれど、選手のほうは(残留争いをしていることもあって)点を取られないほう、どうしたら失点をしないかのほうに着眼点が向いていったというか、重心が傾いてしまったかな、と。そこで、自分がきちんと(チームを)コントロールして、怖がらずに攻めようという姿勢を植えつけてあげられれば、違ったのかなとは思うよね。

 あと、足りないところはもう少しチームみんなで補っていこうよって、そういうチームを作ってきたつもりだったけど、もっともっとそういうふうにしなければいけなかったなと。まあ、そうしたことを言い出したら、反省しかないよ。そこが、一番自信があったはずでしょって思うから」

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