2019年シーズンは「恩返しの1年」
と語る、ジュビロ名波監督の覚悟

  • 原田大輔●取材・構成 text by Harada Daisuke
  • photo by Naoki Morita/AFLO SPORT

――名古屋戦、清水戦、さらに(第22節の)浦和レッズでも0-4と大敗を喫して、そこは磐田"らしさ"が感じられませんでした。

「その3試合は確かに目立つよね。でも、本来のジュビロの守備というものが総崩れだったかというと、決してそんなことはない。大量失点が目立つ一方で、無失点で終えている試合も結構ある。2017年が14試合で、2018年にも苦しんだとはいえ、11試合もあるんですよ」

――そうした状況を踏まえると、リーグ再開後、無失点に抑えながらもスコアレスドローに終わったコンサドーレ札幌戦(第17節)やサガン鳥栖戦(第18節)が痛かったですね。

「その2試合を含めて、(再開初戦となる第16節の)鹿島アントラーズ戦(3-3)からの4試合連続引き分けという結果は相当痛かった。2018年を総括する機会では、そこは必ずポイントとして挙げている。そこで勝ち切れなかったことで、残留争いに片足だけでなく、両足を突っ込むことになったし、その時にもそうなるだろうと思っていた。

 それは、そこで1勝でもしていれば、勝ち点が43となって(残留して)いた、ということではなく、あそこでひとつでも勝っていれば、(チームの)流れが変わっていたと思うから。あの4試合連続引き分けで、選手たちも自信を失って、負傷者も出たことで、負のスパイラルに陥ってしまった。

 あとは、リーグ全体を見ると、名古屋やガンバ大阪が連勝を飾ったことで、自分たちがどうこうというより、後ろから追いかけられてきているといった危機感というか、そういう感覚のほうが強くなっていたかもしれない。まあでも、(どの試合も)勝てなさそうという感じはなくて、『勝てそうだ』というゲームのほうが多かったんだけどね」

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