ジュビロ名波監督が明かす、川崎戦のあとの「尋常じゃない1週間」 (5ページ目)

  • 原田大輔●取材・構成 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「みんな、そう言ってくれたけど、それはあくまでも結果論。こっちがシュートを20本打っても入らないこともあるし、ミスジャッジによってPKを与えられて負けることも考えられた。それでも、そうした10回に1回あるかないかということが起こらないように準備をしてきたし、(ヴェルディ戦に向かう)練習でも試合と変わらない強度でやってきた。

 その結果、誰かが練習中にケガをしてしまったら、それはもう仕方のないこと。自分はずっとそういうアプローチをしてきたから。

 まあでも、あの1試合に関して言えば、それまでの試合との"(相手の)レベルの違い"というものもあったと思う。(相手がJ2のチームで)横パスが1本、2本多いだけで、自分たちの守備であれだけ(相手を)ハメることができたから。J1では、横パスが出たと思ったら、次の瞬間には縦パスをスパーンと入れられて、(アプローチにいった)2、3人の選手が置いていかれてしまうこともある。

 その分、もうちょっと後ろに(守備の)ブロックを作ろうとするのがJ1。ボールを奪いにいく場合でも、ファールで止めることも含めて、それができない距離間だったら(最後まで)チェックにいくべきではない、というのがJ1。

 だけど、ヴェルディは普段どおりに戦ってくるだろうと、スタイルを変えることはないと思っていた。実際、それを貫いてJ1参入プレーオフの2試合を勝ってきたから、そういう自負もあるだろうと。だから、ボールをつないでくると踏んでいたし、ボールの奪いどころもあるな、と思っていた。

 前半、ドウグラス・ヴィエイラに背後を狙われた場面があったけど、それも1回だけ。その辺のことも、DF大南(拓磨)には『ドウグラス・ヴィエイラは体を入れ替えるのがうまいから、あまり(深くまで)突くとやられるぞ』と、警戒するように言っていて、うまく対処してくれていた。

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