神戸リージョ監督が日本代表を語る。「条件次第でスペインにも勝てる」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Fujita Masato

「海外で活躍する日本人は、中盤の選手が多い。スキルが高く、優雅なプレーができる。たとえば、ベティスの乾(貴士)はそうだろう。キヨ(清武弘嗣)も、セビージャ(2016-17シーズンに所属し、当時、リージョはヘッドコーチだった)では万能だった。技術に優れ、球際を戦えたし、能力の高さを示していた。活躍できなかったのは、諸事情があったからだ。

 一方で、センターバック、センターフォワードなど、エリア内で戦う日本人選手がヨーロッパで活躍するケースは少ない。日本人のキャラクターなのだろうが、少しおとなしすぎる。穏やかで、正直であることは悪いことではないが、エリア内の選手はいつも飢えてないといけない」

 リージョは、日本人の潜在能力を信じているからこそ、そう厳しく指摘するのだろう。伸びるポイントを的確に示した。

「たとえば日本人選手は、もっとボールを持ち運んでいいと思う。ドリブルで相手を抜いていくというのではない。ボールを持ち運び、相手を誘い出すというのか。ボールを動かして、相手を引きつけ、(敵の)ポジションをずらし、味方をフリーにする。そこでコンビネーションが生まれる。日本人はそれをあまりしない。エリア内に入っていく、仕掛けのドリブルは好きだけどね」

 日本サッカーは、世界と比肩するところまで来ているのだろう。ただ、あと一歩というのは意外に遠い。

「日本サッカーのレベルは、間違いなく高いよ。規律や技術は問題ない。あとは、そこから自由にプレーし、プレーに閃きを与えられるか。それは質の高いトレーニングを続けることによって出るようになるかもしれない。

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