森﨑和幸が森保監督から学んだこと。
「大事なのは結果よりもプロセス」

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

―― 最後に、これまで何度も体調不良に陥り、戦線を離脱しました。その5回ともピッチに戻ってくることができた原動力とは?

森﨑 体調不良で長期離脱したのは、大きく分けて5回。でも僕は、毎年、毎年、つらかったんです。それはサッカーだけでなく、プライベートも。知り合いに食事に誘われても、体調的にきつくて、忙しいという理由で断らなければならないこともありました。子どもがどこかに連れて行ってほしいと言っても、体調が悪いからと我慢させたこともありました。クラブにも、チームにも、チームメイトにも、そして家族にも、本当に迷惑をかけたなって思います。

 でも、そのたびに思ったんです。僕には助けてくれる人が多かったなって......。だから、その時々で復帰できた理由は違います。でも、自分なりに分析すれば、結局のところ、「本能」だったように思います。

 今シーズンに限って言えば、僕は生活するためではなく、「生きるため」に戻ってきた。子どもにはよく言っているんです。「あきらめたら、そこで終わり」って。自分が子どもにそう言っているのに、自分があきらめてしまったら、示しがつかない。自分の言葉には責任を持ちたかった。その想いが強かったんだと思います。

【profile】
森﨑和幸(もりさき・かずゆき)
1981年5月9日生まれ、広島県出身。177cm・75kg。MF。サンフレッチェ広島ユース時代にチーム初の「高校生Jリーガー」としてデビューを果たす。2000年、Jリーグ新人王を受賞。2016年には史上14人目のJ1通算400試合出場を達成する。双子の弟・浩司とともにサンフレッチェの顔として活躍。

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