内田篤人が鹿島復帰の1年を振り返る。「日本ってこういう感じなんだ」 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 シーズン中には、審判に関することを含めて、日本サッカー界に多くの苦言を呈している。

「Jリーグは俺が幼稚園の時に始まった。でも、シャルケは1904年に始まっているんだよね。昔、柳さん(柳沢敦)に、『海外と日本の違いはなんですか』と聞いたら、『歴史だ』って返ってきたの。今、それをあらためて感じます。歴史とか時間を埋めていくにはどうしたらいいのか。いろいろ課題があるよなと思ったりしてね」

 いつか、鹿島や日本代表が世界で勝つようになるためにどうしたらいいのか。その答えはまだわからない。

「1試合だけではわからない。アルアインも決勝に行っているしね。でも、歴史とかを感じると、1試合では何もわからないというか、差は思っている以上にあるんですよね。1試合だけ勝つなら方法はあると思う。でも、鹿島がマンUとかドルトムントとかと肩を並べたいなら、短時間で済むことではないし、ひとつの問題でもない」

 内田は、欧州のトップクラブでフルに活躍して日本サッカー界に復帰した。だからこそ、果たすべき役割はいくらでもあると、あらためて感じさせる。しかしその前に、来季は何より90分間の活躍を見たい。その可能性が見えたリーベル・プレート戦だった。

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