内田篤人が鹿島復帰の1年を振り返る。
「日本ってこういう感じなんだ」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 リーベル・プレートに敗れ、クラブW杯4位で鹿島アントラーズの今季全日程が終了した。同時に内田篤人にとっての、日本復帰1シーズン目も終わった。

 内田はリーベル戦に先発し、76分までプレーした。2失点こそしたが、内田の右SBがいかに効いていたかは、交代直後のばたつき具合からもわかった。ヘディングでの競合いや派手な対人プレーこそ少ないが、静かに相手の攻撃を食い止めていた。準決勝レアル・マドリード戦は後半だけの出場だったが、このリーベル戦に先発したことでその"効果"はより鮮明になった。

クラブW杯リーベル・プレート戦に先発、76分までプレーした内田篤人(鹿島アントラーズ)クラブW杯リーベル・プレート戦に先発、76分までプレーした内田篤人(鹿島アントラーズ) シャルケからウニオン・ベルリンでの半年間を経て、心機一転、鹿島に復帰してから1年がたった。シーズンを通してフルに戦えたわけではないが、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)水原三星戦では「自分の感覚が戻ってきた気がした」と言う。時間はかかったが、ようやくトップアスリートとしての内田が90分間ピッチに立っていることがイメージできるようになった。その意味では、ポジティブな感触でシーズンを終えることができたのではないだろうか。

「(ケガで)2年休んでいたのかな? 一度死んだみたいなものだからね、アスリートとしては。それを承知で(鹿島が呼び)戻してくれた」

 内田が語ったのは、まずは鹿島への感謝だった。

 シャルケ時代の2015年3月以来、実戦から離れ、2016年12月に復帰したものの、2017年前半は出場がなかった。ウニオン・ベルリンに移ってからも小さなケガを繰り返し、コンスタントに戦力として機能していたとは言い難い。そんな期間が2年ほど続いた。

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