レアルとの対戦を振り返る植田直通。善戦との評価は「本当に嫌だった」 (4ページ目)

  • 寺野典子●文 text&photo by Terano Noriko

 12月2日。そんな植田に会うためにブルージュへ足を運んだ。日曜日ということもあって、多くの観光客が訪れる中心地のはずれのカフェに現れた植田は、肩の力が抜け、はつらつとした明るいオーラを身にまとっている。リラックスした表情が柔らかい。

――欧州生活はいかがですか?

「本当に居心地がいいです。周りを気にしなくてもいいし、確かに観光地だから人は多いですけど、あんまり気にならない。食事する店もあるし、ちょうどいいですね。こっちへ来てから、できるだけ外出するようにしているんです。せっかくの海外ですから。やっぱりよりアクティブに暮らしたいなと思って。知り合いも結構増えましたから」

――社交的なんですね。

「でも、気がつくと、豊川(雄太/オイペン)とばっかり会っていますね。豊川のところへは列車で3時間くらいかかるんです。でも、ここから列車1本で行ける。だから、あいつは2回もブルージュへ来たし、ふたりでデュッセルドルフに出かけて日本食を食べたりもしました」

――豊川選手は鹿島でも同期でしたが、なにより大津高校時代の同級生ですよね。

「まさか、ですよね。ベルギーで対戦しているんですから」

――高校時代とかにふたりで「いつか、欧州で」なんて話は?

「まったくしていないですよ。あいつが海外へ行くなんて思ってもみなかったから」

――植田選手が海外でプレーしたいというふうに考えたのはいつ頃だったんですか?

「高校を卒業する頃には、将来海外へ行きたいと考えてはいましたね。その前に鹿島へ入って、成長して、それから海外へ行こうという気持ちでした」

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