天皇杯優勝が示すレッズの勝負強さ。だが、その強さは完全ではない

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 浦和レッズが、天皇杯決勝でベガルタ仙台を下し、今季国内最後のタイトルを手にした。

 今季の天皇杯決勝は、そもそも来年1月5日にアジアカップが開幕することに配慮して、例年の1月1日ではなく、12月24日に行なわれることになっていた。

 ところが、鹿島アントラーズがAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を制し、12月12日開幕(現地時間)のFIFAクラブワールドカップに出場することになったため、急きょ天皇杯の日程が前倒しに。12月5日に準決勝、9日に決勝が行なわれるという、何とも慌ただしいスケジュールに変更された。

 試合に臨む選手たちにすれば、12月1日にJ1最終節を終え、本来ならひと息入れて、気分も新たに天皇杯に臨めるはずだったのだから、肉体的にも、精神的にも、準備が難しい状況になったのは間違いあるまい。

 そんななか浦和は、準決勝の鹿島戦、決勝の仙台戦を、ともに1-0でしぶとく勝ち切った。

天皇杯を制した浦和レッズ天皇杯を制した浦和レッズ「来季、ACLで戦うために、天皇杯(の優勝)は不可欠なものだった。浦和はACLを2回獲っている。ACLを戦えないという状況は避けたかった」

 オズワルド・オリヴェイラ監督がそう話したように、ACL出場のラストチャンスにかける、浦和の執念が実った結果だった。

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