ジュビロが残留で名波監督は選手に感服。実力通りの結果になったわけ (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 対照的に磐田は、1週間前のJ1最終節で川崎フロンターレに、こちらもまた"サヨナラゴール"で1-2の逆転負け。前節終了時点の13位から、一気に3つも順位を落とし、プレーオフに回らざるを得なくなったのである。

 望む舞台に立ったヴェルディと、望まない舞台に立たされた磐田。どちらが精神的に優位だったかは、考えるまでもないだろう。

 磐田のキャプテン、DF大井健太郎は、自らのオウンゴールが致命傷となって川崎に敗れたとあって、「自分が一番落ち込んだ。全部(リーグ戦全試合に)出させてもらって、この順位。責任を感じていた」。

 名波浩監督も、このプレーオフを「必要ない1試合だった」と表現し、こう語る。

「山岸のヘディングシュートを決められた何十倍、何百倍も(ショックを)引きずった日曜、月曜だった」

 指揮官が引いた「山岸のヘディングシュート」とは、磐田がJ2だった2014年のJ1昇格プレーオフ準決勝、モンテディオ山形戦でのこと。引き分けでも決勝に進める磐田は、1-1で迎えた後半ロスタイム、CKで攻め上がってきた山形のGK山岸範宏にヘディングシュートを決められ、まさかの敗戦を喫している。

 だが、そんな悲劇的な敗戦でさえ比べものにならないほど、今回の"不本意なプレーオフ出場"は大きなショックをチームにもたらしていた。

 しかしながら、「今まで(過去の入れ替え戦やプレーオフで)やられてきたチームは、メンタル(に原因があった)。とにかく、気持ちを切り替えようと思った」と大井。ボランチとしてチームを支え続けたMF上原力也も、「どれだけ前向きにメンタルを持っていけるか。それを、みんなで話した」と振り返る。

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