西大伍が考える鹿島の良さは「自分たちのサッカーに縛られない」 (2ページ目)

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko
  • 井坂英樹●写真 photo by Isaka Hideki

 悲願のアジア王者になった。

 けれど、終わってみれば、国内は無冠。この現実が重くのしかかる。

「4つ(リーグ、ルヴァン、天皇杯、ACL)獲るのは難しい」

 鈴木満強化部長がそう口にした。

 苦戦していたリーグ戦は3位でフィニッシュ。ルヴァンカップ、天皇杯ともにベスト4で敗退。わずかなところで勝ちきれなかった。10月からは週2試合が当然の連戦。この日の浦和戦は今季57試合目だった。

「連戦の蓄積がここにきて出てきた」と鈴木部長が続ける。この試合ではレオシルバ、三竿健斗、小笠原満男は先発出場できるコンディションではなかったため、西大伍がボランチで出場した(12月6日三竿は恥骨関連鼡径部痛で治療期間6週間と発表)。そのうえ、試合終了間際に鈴木優磨も右足を痛め、「健斗と優磨はクラブW杯へ行くことは難しいかもしれない」と鈴木部長は苦汁の表情を浮かべた(試合翌日、鈴木優磨の登録メンバー入りは発表された)。

 この日先発フル出場した内田篤人やレアンドロなどケガ人も復帰してきたが、それでも選手のやりくりは厳しいだろう。重苦しい空気がチームを覆っているに違いない。

 大岩剛監督は、急遽スケジュールを変更して、試合翌日から3日間を連休とした。勢いで駆け抜けた2016年に続く2度目のクラブW杯。今回はすべてを切り替えたい。そんな想いが伝わってきた。

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