一体感あるヴェルディの完璧な勝利に、6位からの大逆転昇格が見えた (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 しかし、不測の事態にもかかわらず、その後のロティーナ采配は的確だった。

 レアンドロ投入を一旦取りやめ、まずはMF李栄直をピッチへ。身長187cmで運動量豊富なMFが、攻撃時には2トップに近い役割を担いつつも、守備時には中盤に下がってスペースを埋め、ひとまず試合を落ち着かせる。

 すると、引き分けでもいい大宮が思ったほどかさにかかって攻めに出てこないことを見て取り、満を持してレアンドロを投入。その直後に、FKからDF平智弘のヘディングシュートが決まった。

 最後は「ひとり少なかったので、フォーメショーンを変える必要があった」(ロティーナ監督)と、DF若狭大志を投入。「この1点を守り切ろうという気持ちをチームとして統一できた」(井上)というヴェルディは、実質5バック+3ボランチで守備を固めて逃げ切った。林が胸を張って語る。

「みんなが同じ方向を向いてプレーしている。誰が出てもやるべきことをやれる。そこが、ヴェルディの強みだと思う」

 ロティーナ体制2年目のヴェルディは、時間をかけて積み重ねてきた戦術を選手が忠実にこなす一方で、不測の事態に対しては、指揮官が的確に穴埋めする。すべてで後手に回った大宮とは、あまりに対照的だった。

 とはいえ、ヴェルディはまだ1回戦を突破しただけだ。J1昇格を果たすまでには、まだ2試合を、ともにアウェーで勝たなければならない。ひとつの引き分けも許されないアウェー3連勝は、決して簡単なことではないだろう。

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