2018.11.19

日本も導入間近? JFA審判委員長に聞く
「VARでサッカーはこうなる」

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Reuters/AFLO

小川佳実日本サッカー協会審判委員長「FIFAはジャッジに対する公式なコメントはしないことにしていますが、Jリーグでは試合後、クラブから事象の確認の要請があった場合、審判アセッサーが、その事象についてどのように判定したかについて主審に確認し、該当クラブの関係者と映像を確認します。審判アセッサーは、主審の見方を伝えたうえで、映像からその事象がどうであったかの意見を伝え、場合によっては、『映像からは、PKとした判断は誤っており、適切な判断ではありませんでした』と伝えることにしています。

 ただ、それをクラブ関係者からメディアに伝わることは適切ではなく、また、世の中は混乱してしまうのではないでしょうか。そうした意味もあり、日本サッカー協会はレフェリーの判定に関して、可能な限りオープンにしようと考え、2年半前からメディアの方々に対して2カ月に1回の割合で、報告会を開催しています。

 JリーグのHPで、原博実(副理事長)さんがジャッジについて検証する動画もあります。このようなものも増やしていきたいと思っています。ですが、審判委員会も10人が10人必ずしも同じ見解ではありません。

 たとえば、Jリーグ第29節の横浜F・マリノス対コンサドーレ札幌戦で、コンサドーレ札幌のチャナテイップ選手のゴールがオフサイドで取り消されました。ゴール前のオフサイドポジションで、コンサドーレ札幌の選手がシュートの際、足をポッと上げた。触っていません。GKの視野も妨げていないが、GKに影響を及ぼすインパクトのある動きだと判断されればオフサイド。そうでないと判断されれば得点。これは両方理解できる場面でした。

 では、そこでジャッジしたレフェリーをどう守るか。守ると言うのは、隠すのではなくて、彼らが下したジャッジについて説明を加えていくことです。レフェリーが判断した理由を、僕らの方から発信していかなければいけない。ジャッジする難しさを伝えていくことが、彼らを守ることにつながります」