39歳、プロサッカー選手・橋本英郎は「死ぬまで現役でいたい」 (4ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text&photo by Takamura Misa

「体の変化は正直、セレッソ時代に体力測定をしたときに感じました。それまで所属したチームでは、最低でも真ん中より上のグループにいたのに、セレッソでの1年目は下から数えたほうが早いくらいだったから。もちろん、当時のセレッソは若くて勢いのある選手の宝庫だったし、チームごとに選手層も違うので一概には言えないですが、『自分はそんなに下なのか』と衝撃を受けたのは事実です。

 ただ、数字がそのままパフォーマンスに直結するわけではないですから。実際、まだまだやれる自信があったから去年、ヴェルディに移籍しました。その中で、とくに今季はそこまで公式戦に絡めていない現状はあるとはいえ、自分ではそこまでガクンと落ちてもいないのかな、と。......ってことを、天皇杯ラウンド16の浦和レッズ戦で実感しました。

 あの試合は久しぶりの先発で、しかも相手はベストメンバーの浦和でしたが、思ったより動けたし、走れた。もちろん、相手は連戦中の試合だったし、僕自身も落ちる時間帯はありましたが、その辺は試合に出続ければ解決できる問題なのかな、と。

 それに、浦和戦を戦うにあたっては、自分の中で久しぶりに、試合に向けて1週間をかけて緊張感を高め、体を合わせていくという準備をしましたが、すごく体力が消耗した反面、楽しくも感じられたので。

 そういう緊張感を味わいながらサッカーをすることには、まだ飽きていない......どころか、そういう緊張感や公式戦にしかないスリル感を味わえる状態でサッカーができるなら、ステージはどこでもいいから、まだまだやりたい。って考えても......はい、現役に未練タラタラです(笑)」

 そう言って笑った橋本は取材後、かかってきた一本の電話を受けると、何やら予約の相談を始めた。聞けば、新しく取り組もうとしている治療のスケジュール調整だと言う。

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