鹿島の選手のJデビュー時。椎本邦一は「親みたいな気持ちになる」 (6ページ目)

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko
  • 井坂英樹●写真 photo by Isaka Hideki

――鹿島アントラーズを選んでもらうための秘訣とは?

「偉そうなことは言えないけれど、僕が大切にしているのは、やっぱり嘘をつかないということ。正直に話すことが、選手や親御さん、学校の先生にとっては、耳障りのいいことばかりじゃないかもしれない。けど、耳に痛いことであっても話すだけです」

――その言葉の厳しさをも受け入れられるかどうかが、鹿島で、プロでやっていけるかどうかの鍵になるのかもしれませんね。

「すぐに試合に出られるチームへ行くという考えもありだとは思う。でも、そのままでも試合に出られるということは、現在の自分と同レベルか、それよりも低いレベルという見方もあるから。8割ぐらいの力しか発揮しなくてもやれる環境にいれば、絶対に伸びなくなる。現状の自分より高いレベルへ行けば、最初は苦労するかもしれないけど、そこでもがくことで、成長できるんだから。今試合に出て満足するか、それよりも先、代表やヨーロッパを目指すなら、レベルの高い場所へ挑戦してほしいなと僕は思います」

――そういう意味では、鹿島を選ぶ選手というのは、貪欲で向上心の高い選手ということなのかもしれませんね。

「そうであってほしいと思います。とにかく、いつも、どんな状況でも、満足しない、満足できない選手であってほしいですね」

◆昌子 源 編へつづく>>

6 / 6

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る