鹿島のスカウト担当部長は、「安部裕葵に柴崎岳と似たものを感じた」 (5ページ目)

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko
  • 井坂英樹●写真 photo by Isaka Hideki

 スカウト歴24年。それは鹿島アントラーズの歴史そのものでもある。

 椎本邦一スカウト担当部長は、今年還暦を迎えたとは思えないエネルギッシュなオーラをいつも放っている。今も全国各地を飛び回り、将来、鹿島アントラーズを支える高校生、大学生を探している。1994年から現職につき、最初に手掛けたのは、1996年加入組からだ。その後、彼に見いだされ、クラブの一員となり、日本代表でも活躍した選手の名前を挙げればキリがない。

選手たちのことをうれしそうな表情で語った椎本選手たちのことをうれしそうな表情で語った椎本

――ワールドカップロシア大会では、センターバックに昌子源、ボランチに柴崎岳、センターフォワードには大迫勇也と、椎本さんが獲得した選手が並びました。

「自分から何かを言うことはないけれど、それでも、ニタっと笑っていましたね。周りから『すごいね、椎本さん、全員に絡んでいる』と言ってもらえたりして。でも、いつも言うことだけど、獲得とか、獲ったというのとは違う。選んだのは僕らじゃなくて、選手だから。選手が鹿島を選んでくれたんです。言葉としては、僕も『獲得』とか『獲る』というふうに使うことはあるけれど、あまり好きじゃない。昔から、選んでもらうという意識です」

――最終的には選手に『選んでもらう』ということになるのでしょうが、どんな選手にオファーを出すんでしょうか?

「僕のベースにあるのは、1998年加入組の選手たち。あれくらいのレベルの選手が集まらないとチームは強くなれないと思っています」

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