2018.10.07

イニエスタも復帰。革命児リージョ率いる
神戸の進む先が見えた!

  • 小宮良之●文 text by Komoya Yoshiyuki 藤田真郷●写真photo by Fujita Masato

しかし、リージョの成果が明確に見えたのは最初の10分で、その後は断続的になった。神戸は前半22分、受身に回ったところでポジションがずれ、不覚にもエリアに侵入されて失点を喫している。その後、30分には左からのロングスローでファーポストにこぼれたボールを右サイドバックの三原雅俊が押し込んだ。同点には追いついたものの、それが精一杯だった。

 後半に入ってしばらくするとリズムが悪くなり出した。するとリージョはアンドレス・イニエスタを投入することで、どうにか優勢を保った。しかし、勝利には不十分で、1-1のドローに終わっている。

「イニエスタは別格だった」

 選手たちは感嘆の声を洩らしている。ケガで休養していたイニエスタは、3日前に練習に合流したばかり。それも体を動かす程度で、18人のメンバー入りもないと思われていた。それでも、ピッチに立てば次元が違った。堅く守りを固めた長崎ディフェンスをヒールパスで崩し、一瞬で3、4人のディフェンダーを無力化した。

「まだ100%ではないよ。でも、今日は悪い流れを断ち切れてよかった」

 そう語るイニエスタが先発に復帰し、100%の状態に戻ったとき、チームはもうひとつ上の段階に進むのか。

 現状は、最初の10分にリージョの色が見えたに過ぎない。イニエスタを足がかりにどうにか負けなかった。90分間を通し、攻守一体には程遠かった。

「せっかくボールを奪っても、それに満足してひと息ついてしまっていた。ボールを下げ、キーパーまで戻ってしまう場面もあった。奪った地点から攻撃を始めたい」