内容がいい分、たちが悪いレイソルの現状。J1残留へ打つ手はあるか (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 しかし、言い換えれば、それだけポジティブな要素がありながら勝てないということでもある。内容は悪くないと言っても、身も蓋もない言い方をするならば、降格するチームとは、たいていそういうものなのだ。

 外から見ている分には、オルンガにあれほどの能力があるのであれば、徹底して守備を固めて、一発のカウンターに頼る手もあるのではないか。最近4試合で10失点と、失点増が足を引っ張っている以上、そんなふうにも思える。

 ただし、そこまで割り切った戦いに舵を切り、それでも結果につながらなかったときは、いよいよ最悪の事態に陥りかねない。だから、判断が難しい。

 むしろ、内容が悪くないからこそ、大きく舵を切りづらい。柏の現状は、目も当てられない内容で惨敗を繰り返すよりも、たちが悪いとも言える。

 鈴木は、今の柏に必要なのは、「うまく忘れること」だと話す。

「前に4連敗したとかは関係ない。厳しい状況だが、目の前の勝ち点3を取ることだけに集中する。頭を切り替えて、勝ち点3を積み重ねていくしかない」

 もうあとがない柏に残されたチャンスは、6試合。J1残留という、シーズン当初には想像もしなかった目標に向かわざるをえなくなった。柏にとっては、ある意味、アジア制覇への道のり以上にしびれる戦いになりそうだ。

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