「今」を生きる41歳・冨田大介は「一度も引退を考えたことがない」 (5ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text&photo by Takamura Misa

 では、彼自身はどうなのか。チームのためにファイティングポーズを取り続けながら、この先、どこにたどり着こうとしているのか。いつか、ということは別として、年を重ね、日々、近づいてくる"引退"に対して、恐れを抱くことはないのだろうか。

「僕はこれまでのサッカー人生で、一度も"引退"を考えたことがありません。ただ、想像したら、やっぱり怖いなとは思います。引退後にすごくやりたいことがあったら別だけど、僕にはそれもない。でも、現役選手である今は、その不安より、自分がやるべきことに取り組まないことのほうが怖い。

 だから、今はとにかく自分が"今"、やれている事実を大事にして、現役生活を全うしたい。そうすれば、自分にも何か新たに熱を注ごうと思えるものが見えてくるんじゃないかと思います」

 どんなときも"今"を見据えて生きてきた、冨田らしい言葉だった。

(おわり)

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