神戸・リージョ新監督の特異な経歴と実績「日本代表監督を狙いたい」 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by KYODO

 2004-05シーズン前に、リージョに話を聞くため、当時、監督を務めていたテッラーサというクラブを訪ねると、そこに世間から雲隠れしていたグアルディオラの姿を発見したこともあった。

 また、グアルディオラは、メキシコのドラドス・シナロアというチームで現役を終えたが、そのときの監督を務めていたのもリージョである。

 2人は、ジョアン・ラポルタ氏が勝利した2003年のバルサ会長選挙にも絡んでいた。対抗馬のルイス・バサート氏が掲げた公約が、グアルディオラのGM就任で、氏が当選すれば、グアルディオラは監督にリージョを迎える予定だったという。バサート氏はラポルタ氏に敗れ、リージョはバルサの監督になり損ねた。

 一方、グアルディオラは、その5年後(2008-09シーズン)にバルサの監督に就任。就任1年目でチャンピオンズリーグ優勝を飾った。

 グアルディオラ監督のバルサについて、リージョはこう述べている。

「私のサッカー哲学はバルサのサッカーそのもの。グアルディオラのバルサは、私の息子のようなものです」

 サッカー監督に求められる資質として「喋り」がある。どれほどいい言葉を吐けるか。それと名監督度は比例の関係にある。よい監督ほどよく喋る。教え魔のごとく、自らの哲学を布教したがる。まるで宣教師のように。

「スペインで指導者をしていても、もはやあまり面白くない。セオリーやコンセプトを伝える必要がなくなっていますから。できれば外国で監督をしたい」と述べたリージョも、例外ではない。

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