イニエスタがプレーで伝えている「バルサにあって日本にないもの」 (3ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro photo by Getty Images

 驚いたことがもうひとつある。イニエスタが神戸の選手対して、「もっと欲を持つべきだ」という発言をしたことだ。イニエスタはバランスを取るタイプだと勝手に思っていたが、それは違った。バルサではメッシやスアレス、ネイマールといった選手たちの発言が前面に出るため、目立たなかっただけなのだろう。

 バルセロナの育成から世界の頂点を極めたスーパーエリートは、負けず嫌いのレベルも世界トップ。日本人選手の「勝負へのこだわり」が希薄なことに物足りなさを感じているからこそ、厳しい意見を言ったのではないか。それこそが、常勝バルセロナで長年プレーしてきたイニエスタの"勝者のメンタリティ"であり、日本人選手に好影響を与えるものだ。

「世界最高峰のサッカー」を、技術面だけではなく、メンタル面でも日本に伝えてくれているイニエスタから、これからも目が離せない。また、彼から多くのことを学んでいく神戸というクラブがどういった進化を遂げるのか、興味は尽きない。

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