イニエスタの前でJ1初ゴール。17歳久保建英が「廊下」で開けた「扉」 (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by YUTAKA/AFLO SPORTS

「自分はバルサの下部組織をかじっただけ。(バルサのトップの選手として活躍した選手と)比べられるのもおこがましい。天地ほどの差を1ミリでも縮められたら......」

 17歳は謙虚に語った。しかし囲み取材の最後、こうも言い放っている。

「これからは久保くんじゃなくて。自分は、久保建英なんで。お願いします」

 それはひとりのプロ選手としての矜持(きょうじ)だろう。横浜FM移籍でしくじれば、失敗の烙印を押される。それを承知で、プロの世界を生きる。イニエスタもその荒野を生き抜いてきたのだ。

 この夜、17歳は少年ではなくなった。

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