三竿健斗は足りないものを求めて「ギラギラした姿勢で練習した」 (5ページ目)

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko
  • 渡部 伸●写真 photo by watanabe shin

――試合出場までの道のりは長い。悔しさが大きかったのでは?

「まだ19歳だったし、最初のころは全然できないと思っていました。試合にも出られないし、ヤバいなぁって。でも、できなかったことができるようになったり、失敗が成功へ変わったときの達成感があったんです。誘われてパスを奪われることがなくなったり、逆に僕が相手を油断させて、ボールを奪ったときとか、小さな達成感を味わえる喜びがありました」

――移籍前は試合に出ると思っていたけれど、出られない毎日を過ごしたと。

「時間があるので、結構本を読むようにもなりました。試合に出られない自分の気持ちを持ち上げてくれる言葉や文章に出会って、人間的にも成長できたと思います。そういう言葉によって、心が豊かになったなと思います」

――サッカー以外の時間も上手に使っていたと。

「そうですね。試合に出られないから、練習もたくさんしました。鹿島では、試合に出られない選手がめちゃくちゃ努力しているので、『自分も負けられない』という感じで、相乗効果が生まれていました。試合に出られない現状について、理解はしていたし、納得する部分もあったけれど、同時に『すぐにでも試合に出たい』という気持ちは常にありました」

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