三竿健斗は感じている。勝たせるプレーとは「臨機応変に対応すること」 (3ページ目)

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko
  • 渡部 伸●写真 photo by watanabe shin

ロシアW杯後ますます活躍が期待される三竿健斗ロシアW杯後ますます活躍が期待される三竿健斗

 2017年シーズン途中に大岩剛監督が就任して以降、先発に定着した三竿健斗。勝利を重ねた昨シーズンと違い、今季リーグ戦ではすでに7敗を喫する苦しいシーズンとなっている(第19節終了時点)。ベスト8進出を果たしたACLとの連戦を戦う三竿の疲労度は試合を重ねるごとに増していく。それも肉体以上に「思考」の疲弊が大きいのか、そのプレーにダイナミックさが欠けているように映った。勝利から遠ざかることで、担うプレッシャーも大きくなる。そんな日々のなかで、三竿が強く痛感したのは、「勝ちたい」という想い以上に「勝たせる」選手になることの難しさと使命感だった。

――今季前半はリーグ戦とACLとの連戦を先発出場し続けました。肉体以上に頭が疲れていると話していましたが......。

「やっぱり頭が疲れていましたね。プレーの判断が悪くなりました。そして、勝てないことで、当然周囲からのプレッシャーも大きく感じたし、チーム全体が苦しい感じになるので、どうしてもプレーにも迷いが生まれる。とにかく苦しかったですね」

――勝てない現実を経験することで、過去、勝ち続けてきたアントラーズの歴史の重みを感じたのではないでしょうか?

「アントラーズの選手が受けるプレッシャーが大きいことは、このクラブに来る前から想像はしていたけれど、実際、それを感じながら戦って、そのうえで勝ち続けるというのは、本当にすごいなと思います。巧い選手というのはたくさんいると思います。でも、大事なのは、勝たせる選手になること。巧い選手がいても勝てないチームは勝てない。だけど、たとえば、突出した技術がなくても、勝たせる選手がいるチームが勝つんだということを最近強く感じます。それがボランチで言えば、(小笠原)満男さんだし、(柴崎)岳くんだったのかなと」

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