鹿島TD就任のジーコから熱いメッセージ。「第ニの故郷へ帰る理由」 (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 その他にも私がやらねばならない仕事は多くあるだろうが、最初の1カ月はこのことを徹底したいと思う。

 2018年の終わりまでには、少なくとも連続して30日滞在することが3回は必要だろう。ただ、まだブラジルに残してきている仕事も多くあるので、それもこなさなくてはならない。その後、すべてうまくいき、チーム側も望めば、2019年はまるまる1シーズン、日本に滞在したいと思っている。

 今、アントラーズのスタッフにはブラジル人はたったひとり、フィジオセラピストのロドリゴしかいない。できることなら日本人スタッフとともにブラジル人スタッフも起用し、チームを成長させていきたい。

 ブラジルにいる間も、私はいつも日本を恋しく思っていた。日本食が食べたくなったときには、リオのお気に入りの日本食レストランに行って、その味を忘れないようにしていた。しかし、なにより私が郷愁を感じていたのは、日本の人々だ。私には多くの日本の友人がいる。それも真の友人と呼べる人々だ。鹿島で共にプレーした選手たち、クラブや代表でともに仕事をした人たち。そのうちの何人かは監督になっており、彼らと対戦するのも非常に楽しみだ。

 友人、礼儀正しく温かな人々、熱いが統制の取れたサポーター......何もかもが懐かしい。安全で他人をリスペクトする日本は本当に暮らしやすい国で、行くたびに私は喜びを感じる。だが、今回はその喜びがさらに大きい。私はただの旅行者ではなく、日本で暮らし、日本のために仕事をし、よりこの国に深く関わるために日本に行くからだ。

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