2018.08.03

ネジを締め直して「原点回帰」。
広島・城福サッカーの片鱗が見えた

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by Nikkan sports/AFLO

 攻撃においては、高い位置でボールを奪ってのショートカウンターと、自陣から展開するロングカウンターで、逆に好機を演出。前半22分、中央で稲垣が奪ったボールを青山が素早くDFの裏へと送り、走り込んだパトリックがGKをかわしてポスト直撃のシュートを見舞ったシーンがまさに前者。1分後の前半23分、千葉和彦のロングフィードから左サイドの柏がカットインして右足でシュートした場面が後者だった。

 その広島は、前半終了間際に相手のハンドでPKを獲得。青山のシュートはGK飯倉大樹がセーブするも、蹴る前に飛び出したとしてやり直しに。キッカーを変わったパトリックが今度は左隅に決めて先制した。さらに後半開始1分、右コーナーキックからパトリックが2点目を挙げてリードを広げると、もう広島ペースだった。

 もともと堅守速攻の広島は、DFラインを高く設定し、全体的に前がかりとなる横浜FMに対して相性がいい。後半4分には、右サイドの柏がゴール前へと斜めに走り込む柴崎晃誠にパスを送ると、その落としから渡大生がJ1初得点で試合を決めた。後半26分にはふたたびコーナーキックの流れから千葉の2試合連続ゴールが飛び出し、終わってみれば4-1で快勝した。

 首位を走る広島の強さは、今季のリーグ戦で一度も連敗していないところにある。青山とともに広範囲をカバーする稲垣は、前節の敗戦で城福監督から「かなりネジを締め直されました」と笑う。

「リーグ前半戦で自分たちが培(つちか)ってきたものが少し失われつつあったなかで、そうしたものを取り戻し、本来あるべき姿に立ち返る意味でも今日の試合は重要でした。中3日と短い準備期間でしたけど、もう1回、チームのあるべき姿を取り戻してくれた城福監督は、やっぱり、さすがだなと。

 かなりシビアに突き詰めてきましたし、要求も高かったですからね。基本的にそれは守備のところ。まずは手堅く試合に入るなかで、中央の締め方であったり、プレッシャーのかけどころ。戻るにしても、どこに戻るのか。危機感も含めて、細かいところですけど、そのひとつひとつを今日は取り戻せたと思う」