J2首位堅持で「反町節」全開。大一番で見せた松本山雅の真骨頂 (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

 しかも、ようやくチーム状態が右肩上がりになってきた矢先、今季前半戦でチームの主力を務めてきたMF前田直輝が名古屋グランパスへ移籍し、MFパウリーニョは負傷離脱。再び不安要素が生まれてきたなかでの、昇格争いのライバルを振り切っての逆転勝利である。ひょっとすると、およそ4カ月後に今季を振り返ったとき、シーズン全体の流れを決める分岐点として語られる試合になるかもしれない。

 つい2節ほど前までは超のつく混戦だったJ2の上位争いも、首位を堅持した松本は、プレーオフ圏外の7位・東京ヴェルティとは勝ち点8差、自動昇格圏外の3位・横浜FCとは勝ち点4差と、じわじわと差を広げ始めている。

「本来は11人対11人で、自分たちがやりたいことをやりたかった。だが、アウェーゲームで、(週末と水曜日の試合が続く)連戦で、ひとり退場になっても逆転できた。次の試合は、最初から10人で戦おうと思う」

 最後まで全開だった"反町節"。いつにも増して饒舌な指揮官の様子が、この勝利がどれほど大きなものであるかを物語っていた。

◆第二の乾貴士は日本で育つか。独善的ドリブラーに必要な評価と強化>>

◆杉山氏が森保ジャパンに異議。日本サッカーのガラパゴス化が進む>>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る