大島僚太よ、自我を出せ。ゴール前では「うまさ」より「こわさ」だ! (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 大島にもスポットライトが当たる場面がなかったわけではない。73分、エウシーニョとの連係でゴール前に抜け出し、決定的なシーンを迎える。

 シュートを打てば――と思われたこの場面で、しかし、大島は左にいた小林へのパスを選択。小林のシュートは相手DFに防がれて、追加点は生まれなかった。

 パスを選んだのは"らしさ"と言えるかもしれないが、大島がもうひとつ殻を打ち破るためには、うまさだけでなく、怖さも求められる。あるいは、それは「自我」と言い換えることができるかもしれない。「自分で試合を決めてやる」という自己主張こそが、大島をさらに成長させるキーワードとなるのではないか。

 酷暑の消耗戦を制した川崎Fは、これで4連勝を達成。昨季王者にようやくエンジンがかかってきた。この日、首位を独走するサンフレッチェ広島が名古屋グランパスと引き分けたため、両者の勝ち点差は8に縮まった。

 今シーズンも折り返し地点を迎え、これから優勝争いはますます本格化してくる。そのなかで大島は、いかなる存在感を放つのか――。その双肩に川崎Fの連覇がかかっている。

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